ウクライナの動きを注視するロシア

R27 Kanwa Photo Kyev

AL31F. Kanwa Photo

日本:軍事研究五月号

漢和情報センター平可夫文:ロシアとウクライナは軍事産業の多方面にわたって緊密な相互依存関係にあるが、ウクライナが中国やベトナムとの協力関係を深めていることに対し、矛盾した態度を示している。  

まず、安全保障の戦略面では、ロシアはウクライナと中国の接近に胡散臭い目を向けている。例えば、数年前にウクライナがSS18戦略ミサイル技術を中国に輸出するという噂があった際には、強い警戒心を示した。  

軍事物資の供給の観点からは、ウクライナとロシアは協力並びに競争関係にある。Su27SKとAL31Fエンジンの修理、戦車生産技術、R27空対空ミサイルは両国とも提供できるが、R27に関してはベトナムはウクライナに直接注文している。一方、多数の兵器が両国共同開発で、R77の部品の多くがロシアで生産されている。An70輸送機の技術も、両国の共同研究の成果として中国に輸出される可能性がある。  

一般にロシアとウクライナの軍事貿易は補足的になりつつあり、競争より協力関係の方が比率が高いといっていい。Su27SK、ソブレメンヌイ級駆逐艦、S300、TorM1、キロ潜水艦といったものはウクライナは自力生産できないのが現状だ。  

将来的には、ロシアがかつてのような経済的軍事的大国に復活すると、CIS諸国内での発言力が増し、中国との関係も再び頓挫しかねない。漢和の見解では、ロシアは依然としてウクライナを制約する力を持っており、ロシアと中国の関係が悪化すると、ウクライナにも兵器輸出差し止めの依頼をする可能性がある。エネルギー供給の9割からほぼ全部をロシアに依存しているという事情の他に、ウクライナにはロシア製武器の製造能力はあるが、経済制裁で原料を止められると動きがとれない。ウクライナにとってロシアは、過去、現在、並びに将来においても、兵器の修理・供給の最大の市場なのである。<日本:軍事研究五月号 漢和情報センター平可夫文>